算数の学びと指導ー市原式

唯物弁証法の視点から算数教育を見直した小学校教師の著作集

 市原昇(1925-2000 年)による市原式算数教育法は、暗算に偏重した戦前の算数教育とも、戦後、遠山啓が提唱した水道方式による算数教育、あるいは現在ひろく普及している公文式教育とも異なるものである。学習者の認識過程が唯物弁証法的発展プロセスを踏むことを自身の教育実践の中で体得し、そのことを意識的に取り入れた算数教育法を提唱した。その方法について、晩年、市原式算数教育論としてまとめ上げたいと考えていた。しかし、これまでの著述を整理し執筆準備をしていた矢先、2000 年 3 月クモ膜下出血に倒れ、その 4 ヶ月後、帰らぬ人となった。

 市原式算数教育法は、後世に伝えられるべきものである。本ブログでは、算数教育にたずさわる教師や教育学者、あるいは学習者である生徒や親に向け、市原式算数教育法の一端を伝えるのが目的である。市原昇が残した著述の一部をここに公開する。

 ただし、原文の一部での明らかな誤植、旧仮名遣い等について必要最低限の修正を行った。また、当初使用された図については、そのまま再現するのは難しく、適宜、改変あるいは削除した。これらの修正、改変は最終的に遺族の許可を得ていることを申し添える。


【市原昇略歴】
1925年生まれ。
戦後、小学校教師となる。
専門は算数教育。岐阜市立長良小学校、岐阜市立金華小学校、岐阜市立華陽小学校、岐阜市立鷺山小学校で教鞭をとる。
1984年市原算数教室開設。市原算数教育研究所設立。
1980年代から亡くなるまで大阪書籍の教科書(算数)の執筆者としても活躍。

  

プロフィール
id:sansusurasura
ブログ投稿数
75 記事
ブログ投稿日数
75 日
読者